STORY
時は高度成長期終焉を迎え、間もなく訪れる第一次オイルショックの真っ只中に建てられた町工場兼自宅。あれから約40年。激動の時代を見守り続る事に少し疲れたこのビルが、新しい装へ生まれ変わるプロジェクトが発足しました。
スマートで長いこのビルは建築業界では通称ペンシルビルと言われる。
この特徴を損なわないよう、経年劣化を生かし控えめでシンプルなコントラストで外装を仕上げました。
外観と1Fは海外のSOHOアパートメントとその路地裏、2Fは無機質と照明、3Fは白黒、4Fはハコ、5Fはガーデン。と、各階コンセプトを変えて改装を施しました。
このビルが建った当時この辺は「東雲町」と呼ばれてました。
東雲とは古語で夜明け前に茜色にそまる空という意味。
後に日本はバブル景気に突入し、崩壊。未然の不況を乗り越え、ITバブル到来そしてリーマンショック。
時代の浮き沈みに翻弄されながらも生き抜き、町を見守り続けたコンクリート仕立てのペンシルビル。
装いを新たに夜明けを迎えたこのビルの総称を、私達はSHINONOME COPENCILと名付けました。